実録霊性開花日記

e-mail camphor.eri.project@gmail.com 山楠えり 2018年7月にセドナに一人旅をして何かが開花して帰国

五月の宗像大島・二日目前編・契約

二日目の朝

その日は正式参拝の日だった
素泊まりで朝ごはんがないので、そしてコンビニや食べ物を売っていそうなお店が見当たらないので、
SPに行ってみた
SPで最も朝ごはん的なメニュー、バナナジュースを頼んだ

その日はお母さんではなくお父さんが店番をしていた
近くに郵便局はあるか、そこにはATMがあるのかを尋ねた
両方あるという事でホッとした
お父さんはなかなかに無口な方だったけれど、今日は正式参拝がメインなので早々にSPを後にしたら、
美味しそうなパンが売っているお店を発見してしまい、もちろん買って小躍りして民宿Kに戻った

嬉々としてパンを食べつつ、昨日視えたものや感じた事をパンと共に買ったメモ用紙に書き留める

・・・こんな事してる場合ではない

身支度をして正式参拝の前に、神社に行って落ち着いて視てみようと民宿を出て歩き出した

昨日は暗かったし、夕方だったし、疲れていたし、それで視えにくかったのかもしれないな・・・

と私は言い訳の様に心の中で思った

程なくして鳥居が見えて来た

いつもだと鳥居から大体不思議な感覚がしてくるのだけれど、やはりそれがない
昨日の様に手水で清めて石の階段を登り、境内に入る

拝殿を突き抜けて本殿の扉が開いていた

今日はよろしくお願いします

と手を合わせた

鰹木、彫刻


なんとなく気配はするけれど、やはりなんだか視えにくいし感じないな・・・と思いつつ、天の真名井の水をペットボトルで汲みに行った


「真名井のご神水はとてもパワーがあるの。汲んでらっしゃい」

と先輩Yさんは言っていた

是非汲んでおこう! と昨日の時点でペットボトルを空にしていたのだ

お水を汲んでもう一度境内に戻り、銀杏の木の下のベンチでぼーっとしていると、お社の屋根の鰹木(かつおぎ)に目が止まった


え・・・・・・


これ、秋吉台で見たあれみたい・・・・





符合

やはりここの神社で間違いないのだろうか、と思った


拝殿に前にもう一度立ってみた

上の方に目をやると、お社の彫刻が目に入った







これ、昨日見えた両側が蛇になっているあの形そっくり・・・



三つあるという事は宗像三女神を表しているのだろうか・・・

昨日SPのお母さんが教えてくれた

「お社の彫刻がね、変わっているのよ・・・なんて言ったらいいのかな・・・まあとにかく見て来て」

と言っていた部分かも知れない


私はなんとなく、視えにくく感じにくくなった代わりとして、人の口から神意(というのもちょっと大げさだけど)を語られてそれを聴くという機会が増えた気がしていた

SPのお母さんはよくわからないけれど私にこの彫刻の事と、「口封じ」の話を教えてくれたのではないだろうか

御嶽神社

私は神水の入ったペットボトルをバッグに入れて、神社の側道から御嶽山に入る登山道を見つけた

中津宮の後ろの山の神社、奥宮に行ってみて! すごいパワーだから」

と先輩は教えてくれた

説明板には

御嶽神社(奥宮)」と書いてあった
標高240mとか書いてあった様な気がした
登れそうな気がしたので、正式参拝まであと一時間半くらいあったからえいや、と登山道を踏み出した




結構急斜がきついな・・・
え・・・スズメバチ出るの・・・・・・

誰もいないな・・・・・

階段、一段一段不揃いの角度と高さだな・・・

というか急だな・・・

というかもう疲れて来たな・・・

でも先輩、ここ登ったんだろうし私にも登れるよね・・・(後から聞いたら、「あんた登山道から行ったの?! タクシーで行かなかったの? いやーねー!」と言われた・・・)

山の中は木立が鬱蒼と茂っていて、日陰だけれど気温は高かった

汗が途方もなく出て来て、途中何度も引き返そうと思った

東京へ帰るまで開けないでおこうと思っていた真名井の水を少し飲んでしまった

どうしても行かなくてはいけない気がした

息が上がっていたけれど、なんとか山の頂上まで来た




御嶽山の頂上には展望台があって、五人くらいの人が駐車場にいたり、神社にいたりした


ところが、私が着いた途端にみんな居なくなってしまった
車で下山する人、お参りを終えて帰る人、作業服の人は私が登って来た登山道を降りて行った

完全に一人になった




急な石段を上がると、御嶽神社のお社があった
私のいる目の前に、黒アゲハ蝶がひらひらと飛んでいた

ここに来る三日くらい前から、そういえば東京でも黒アゲハ蝶がひらひらと私の周りを飛んでいたな・・・

とその黒アゲハ蝶をぼーっと眺めていると、お社から大きな顔半分がせり出して来た
その大きな顔は、シワが顔に刻まれている様な、お爺さんの様な顔をしていた


「見えにくくなっただろう。感じにくくなっただろう」





その大きな顔は優しく話しかけて来た

その通りです

と心の中で返事をした


「一つ上がったのだ。これからは見えにくく感じにくくなる。その代り蝶を飛ばす。人払いをする」

そう大きな顔の人は教えてくれた

お礼を言って、誰も居ないので祝詞を上げた

祝詞の間じゅう、ずっと黒アゲハ蝶はひらひらと私の目の前を飛んでいた

何度もカメラを向けて撮影しようとしたが、その度に遠くへ行ってしまう

カメラを仕舞うとまた姿を表す

だけれど、なんとか動画を撮ってみた


祝詞が終わると、木立の奥にひらひらと飛んで行ってしまった
帰ろうと踵を返すと、それが合図かの様に誰かが来た車のエンジンの音がした

急いでやって来た登山道を引き返す

タクシーを呼ぼうにも、この島は一台しかタクシーがないという

こんな汗だくのTシャツのままで正式参拝に行くのは憚られるのでどうしても着替えたい
電波が通じるぐらいの高さまで降りて、神社に電話をして遅れる旨を伝えた


大急ぎで民宿に戻り、シャワーを浴びて正式参拝用のワンピースと靴に着替えた

正式参拝

ちゃんとした格好ってこれでいいのかな・・・と思いつつ紺色のワンピースと白いレースアップの靴という出で立ちで中津宮の鳥居をくぐった

時間が遅れてしまった非礼をお詫びして、神職さんにご挨拶した

玉串料もお渡しして、いよいよ拝殿の中に上がらせてもらえる事になった

神職さんが太鼓を叩き、正式参拝が厳かに始まった

爽やかな風が吹き抜けていく気がした
神様がそこにいらっしゃる気がした

初日に視た、巫女の様な雰囲気の女神様がいらっしゃる
ずっと笑みをたたえている
目は爛々としており、この世ではないものを見ている様に思えた
肌の色もこの世ではあり得ない白さだった

私は貴船神社にいらした玉依比売様を思い出していた

「私とお前は契約するのだ」

不意に聞こえたお声は断定口調だった事は覚えている

私ははい、とだけ返事をした

「契約致します」

まるで結婚式の様だけれど、そう心の中で神様に申し上げると、嬉しいのと恐れ多いのと、やはりここの神社で間違いなかったという安堵感とないまぜになり涙が出そうになった
実際、鼻をすすりながら玉串を捧げ参拝した

正座してひざの上に置かれた手を包む様に女神様は

「私とお前は契約したのだぞ」

とはっきりとした口調で仰った


めっちゃ近い・・・と恐縮したのと、女性のたおやかな雰囲気なのに口調は男前・・・と思いつつ

ありがとうございます

とお礼をした


参拝が終わり、神職さんに鰹木の形について聞いてみた
室町時代にこのお社は建てられ、吉田神道を取り入れた建築であり、鰹木の三つの丸と三つの四角は陰陽を表しています
と教えていただいた
神職さんにとってはどうでも良い、どうして鰹木の事について聞いたのかを説明して後から余計な事言ったーと後悔したのだが、
それでも神職さんは嫌な顔をせずに、穏やかな笑顔で私の拙い説明を聞いてくださった



そんなこんなで正式参拝は終わり、神社の石段を降りようとした時に、首にピンクのタオルを巻いたおじさんが階段を上がって来た
すれ違いざまに、

「神主さん今いらっしゃる?」

と聞かれた

「今正式参拝したばっかりなのでいらっしゃると思いますよ」

と答えた

階段を降りて振り返ったら、夕方になるとここからずるずると大きくなった女神様がまるで蛇の様に階段を降りてくるイメージが浮かんだ

陸にある市杵島姫のお宮とどうやら交流?する様な感じがした


まだ日は高いし、遥拝所に歩いて行ってみようかな、と思いついた


(長いので二日目は分けますー)