実録霊性開花日記

e-mail camphor.eri.project@gmail.com 山楠えり 2018年7月にセドナに一人旅をして何かが開花して帰国

五月の宗像大島・二日目後編・契約

沖津宮遥拝所

まだ15時前で日が高かった
パンを見つけて小躍りした雑貨屋さんで、遥拝所
https://www.okinoshima-heritage.jp/visit/yohaisho
までの距離を聞いたら

「歩いて15分」

との事だったので、正式参拝のワンピース姿のまま歩いて行ってみる事にした
ゆるゆかな傾斜のある漁師町の家並みを抜けると、道路があってそれを横断すると程なくして遥拝所に着く

三人くらい、電動自転車に乗った観光客の方達とすれ違った
観光客のファッションは地元の人と違うのですぐに分かる
私の服装は地元の人でも観光客らしくもなく、異質だった

彼らは口々に大丈夫? とか暑いとかここを抜けたらもう少しで着くね、と言い合っていた

ひとり旅なので、必要な事以外全く口を開かない
口を開かないと思考と感覚が内部で研ぎ澄まされる、熟成される
セドナでその感覚を覚えてからそれは自分にとって大事な事なのだなと思った

実は宗像大島に来る前に、ある人のブログで遥拝所の事が書いてあったので読んでみた
とてもパワーのある所です、と書いてあった

わくわくしながら遥拝所の階段を上がり、鳥居をくぐって建物の前に立ってみた
辺りには誰もいなかった
人払いをしていただいたのかも知れないけれど、申し訳ないくらい何も感じなかった
あれー・・・と思いつつ海岸のキワに建つ遥拝所の裏はすぐ海なので、岸辺に行ってみる事にした
鳥居を抜けた所で綺麗な蝶が目に止まった




後で調べたら、アサギマダラ という種類の渡り蝶だった

さっきの御嶽神社のお爺さん?神様のお言葉を思い出した

「人払いをする、蝶を飛ばす」

蝶は近づいてもじっとしていた




数枚撮れたので、海の近くに行こうと屈んでいたのを立ち上がったら、蝶が階段を下る様に飛んで、海の方に飛んで行った

後を続く様に階段を降りた

切り立つ岸壁と砂浜ではなく石がごろごろしている岸辺で、
30メートル歩いた辺りに日陰があるのでそこに行こうと目星をつけた
海水浴場ではないので、足場は悪かった
白いレースアップの靴で来るべき所ではないけれど、なるべく靴を傷つけない様にゆっくりと歩いた

その間、まさに行こうとしている日陰の所に先ほどの蝶がひらひらと飛んでいた

うそだろーと自分でも信じられないけれど、確かに蝶は行こうとしている日陰で私を待っている様にひらひらしていた

日陰の地点に着いて、なるべく平たい石に腰を下ろす
それでもゴツゴツしていて、座り心地は良くなかったけれどここで沖の島の神様を視てみようと思った



私以外誰もいなかった

遥拝所の方からも話し声など聞こえず、静かだった

呼吸を視る時用の呼吸にして、手のひらをアンテナの様に動かす

これを見られるのがちょっと恥ずかしくて、神社ではこっそりとやっている


視えてきた・・・

視えてきたけど、視えたものをなかなか受け入れられなかった

今はもう神職の方と研究者しか立ち入る事のできない沖の島にお祀りされている女神様は、宗像三女神の長女、田心姫(たごりひめ)で私が今視ている田心姫様はどう見ても日本人にはみえなかったからだ

目を開けると、居なくなっていたさっきの蝶が目の前を飛んでいた

田心姫様

目鼻立ちがとてもはっきりとしている
眉は柳眉で額に何か巻いている

一生懸命視ても、着ているものは薄衣で胸の辺りがはだけてみえた
薄茶色の生地で、胸がない様に見える・・けれどお顔は女性だし・・・

まだ三女である辺津宮の市杵島姫様は視ていないけれど、次女の多岐都姫様と姉妹にはなかなかみえなかった

古代オリエントとかメソポタミアとか、雰囲気も肌の感じもオリーブ色の様な感じの外国人特有の肌の色だ

次女とされている多岐都姫様はこの方の補佐をしている感じがした

田心姫とされているその方は、ここに来た時はその薄衣、外国人然とした感じだったけれど、その後に日本風の装束を着せられている
髪も日本風に結い上げられているけれど、巻き毛のままだった

悲しい感じが伝わってきた

遠く離れてる感じ

夫から? 祖国から??



沖の島まで距離があるのでなかなかダイレクトに視えてこない

その時、







「なんか悩みでもあんのーっ?!!」

と慌ててこちらにやってくる人がいた

見覚えのある首に巻かれているピンクのタオル・・・

さっき中津宮の階段ですれ違ったおじさんだ


足場が悪いのに、わざわざ一生懸命こちらに向かってきてくれる

「どうしたのっ?」

完全に自殺する女だと思われている・・・

無理もない、紺色のフォーマルな感じのワンピースで観光する人いないもんな・・・

「違うんです・・・」

「なになにどうしたの?」
とおじさんは座り心地の悪い石に腰を下ろした

「あの・・今遥拝所だと良く視えないので、ここまで降りて来たんですけど・・なんていうか・・霊視? あの霊能者みたいな事をしていて・・・」

いまだに自分を説明する時にハテナをつけてしまうし、「みたいな」とつけてしまう

「ああそうなの・・・ああ良かった・・てっきり俺さー・・・はははは」

「はははは」

とつられて笑う

一応怪しいもんじゃないよという同調の笑いである

おじさんは愛知から船で島を旅している人だった

船での旅の仕方や、色々な島の話をしてくれた

岸辺から帰る時、おじさんと話している間は居なかった先ほどのアサギマダラがいた

おじさんは前方を歩いていたので、蝶にしか分からない様にバイバイと手を振った


その後、待ち合わせをしてカフェでビールを一緒に飲んだ

おじさんは突然死した大親友の事を話してくれた

その話をさせるため、おじさんに伝えてほしい事を親友の方が私に言わせるために会ったのかな、と思った

「その親友の方、自分が亡くなっている事に気がついてないと思います。もう一度お亡くなりになった場所に行って、お話ししてお家まで連れて来る事は出来ますか?」

そういう時だけ、毅然とした態度と口調になるのに自分でも驚く
カフェのオーナー夫婦の漁師をしている息子さんにも沖の島の話を当たり障りない程度で聞く事が出来て、そのカフェを出た

夜に漁師料理屋さんのKMに二日分の食事代をお支払いする為に伺った

翁、印


二日目の夜もKMのおじさんはご機嫌に酔っていた
だけれど一応顔は覚えていてくれたらしい

他のお客さんに「この人はなっ、東京からお宮参りに来ているんだっ」
と良く分からない説明をしていて、やめてーと心の中で思った

おじさんの思いがけない身の上話を肴にお酒を飲んでいると、おじさんが

「また来いよ。なんか俺の事で視えて言いたい事ある時は電話してくれい」
と握手を求めて来た

5回目くらいの、この神棚はな、沖の島の神主さんに魂入れてもらったんだっというお店にある神棚の説明を受けて、私はふと神棚の写真を撮りたくなった
おじさんの許可を得て、長椅子の上に立って神棚と同じ目線になってみる



そこで初めて気がついた


神棚の横にある翁の面は、御嶽神社で見たあの顔半分のお爺さんみたいな顔にそっくりだと




そして翁の面の飾り台の印、中津宮のあの彫刻にそっくりだ・・・・・・







慌てて写真を撮っておじさんに見てもらう


「おじさん、どうして翁の面が神棚に飾られているの?」

「あれはな、神社の功労者が貰えるありがたーい面なんだ」

「どうして翁なの?」

「わかんねえ」

「この印は? どんな意味?」

「わかんねえ」

そっか・・・わかんねえか・・・・・・



二日目もKMに来たのはこれを見せる為に来させてもらったのかも知れない・・・


結局おじさんは紙幣を頑として受け取らず、硬貨だけで支払った

また来年来るね、と約束した

その夜は三人の女の人が登場する夢を見た