なぜイスラエル
たまたま家族の恋人が、イスラエルと日本のミックスだったから二人は夏休みにイスラエルに行くと言うので
じゃあ私も便乗しちゃおうかなーと言うなんとも軽い理由だった
「イスラエル?! 危なくない???!!!」
とか
「えー戦争やってるよ」
とか
「入国審査で裸にされる」
だとか
「滞在中監視がついた」
だとか散々周囲から色々な事を言われたけれど、
先輩霊能者のYさんは
「イスラエル? いいじゃないメダイとかーヘブライ語の祈祷書買ってきて♡」
と相変わらずな感じの返事だった
家族とすぐに合流するはずが、恋人と共に隣国に遊びに行くと言う
東京で犬達のお守りをする心配性の夫が散々SNSで気をつけてとか色々と周囲から言われて
「ガイドさんつけなさい」
と言う事で三日間、知り合いの方のツテで凄腕のガイドさんをお願いする事にした
世界一厳しいと言われる入国審査
2分くらいで終了
滞在日数と宿泊先の住所を告げると入国許可証がもらえます
事あるごとに入国許可証の提示を求められます
(ホテルのチェックインとか)
石の街、エルサレム
空港で隣国に出国する家族&恋人と遭遇
階上と階下で
「◯◯◯◯に◯◯◯されない様に気をつけてー!!」
とか
「おじいちゃんおばあちゃん英語ほとんど通じないかもー! 頑張ってー!!(何を)」
とか助言というか帰って怖いわ、という忠告を受けたけれど、
シェルート(乗合タクシー)ではなく個人タクシーで行けというアドバイスを基にタクシーに乗り込んだ
クレジットカード、使えるらしい・・・ホッとした
なぜならこの国の通貨、その時点で一銭もなかったからだ
クレジットカードとUSドルで大抵大丈夫、お釣りは現地通貨で返ってくるけれど
という複雑なシステムをガイドのSさんとのメールのやり取りで知ったので現地通貨に換金していないのだ
ホテルはエルサレムに取った
空港から40分くらいだろうか
だんだん丘陵地に皆同じ色をした建物が並んでいるのが見えてきた
街中の道幅や歩道の感じ、石造りの感じがパリに似ていた
違うのは全て同じ石のタイル、通称エルサレムストーンのタイルで統一されている事
クレジットカードは使えると確認はしたけれど、
「決済が4日後なんだよね・・・ドル現金で払ってくれたら嬉しいなあ」
と数回言われ、
ホテルの場所を通行人に聞いてくれたり飴沢山くれたりなかなか親切にしてくれたので
根負けして100ドルを渡す
20シュケルのお釣りが返って来た
夜に到着して疲れていたので夕食を取らずに寝た
旧市街地
次の日は単独行動だったので、朝近所のベーカリーでパンを買い(美味しい)、歩いて旧市街地まで行った
正統派ユダヤ教の人達が沢山歩いている
ヤッファゲートから旧市街地に入った
ゲートの所に沢山の軍隊がいて、皆一様に若く、皆一様に機関銃を携えていた
機関銃をあんなに至近距離で見たのは初めてだった
この国では18歳の男女は徴兵制度がある
ゲートを入ると案内所があったので、地図を貰い聖墳墓教会はどこか尋ねた
聖墳墓教会
エルサレムの事を調べた時に、実際に歴史的人物が使用した所、歩いた所、触れた所を訪ねてみたいと思った
興味を惹かれたのがこの聖墳墓教会に関するニュース
natgeo.nikkeibp.co.jp
だった
そして触れる事が出来る石がいくつかある、という情報にぜひここに行ってみたいと思った
お土産屋さんがひしめく通路、わかりにくい標識なのだけれど、案内所で教えられていたので迷わずに着く事が出来た
入ってすぐの所に、みんなが手のひらを置いたりお祈りをしている石板があった
薄いピンクの大理石で、一畳の畳をもう一回り小さくした様な感じの大きさだった
跪いて、両手を石に置いてみた
最初は土の匂い
血の匂い
血の匂いに変わったあたりから、手のひらに触れている石がじゅわっと液体状になった感触に変わった
神 子 精霊
神 子 精霊
と頭で響く
私はどんな宗教にも詳しくないのだけれど、父と子と聖霊の御名においてとよく聞くし、三位一体説というのがあるくらいはわかるけれどとにかく
神 子 聖霊
だった
セドナの時と同じ、キリストは人間だったというのが強く伝わってくる
キリスト自身がそこを強調して伝えてくる感じだ
相変わらず手のひらの下にある石は液体状になっていて、血は涙に変わっていた
私も目から涙がどんどん流れた
彼は知っていた
彼は自分の死によって後世の人が神を意識する契機になるだろうと知っていた
自分の死が大きな影響を与える事を知っていた
死をもって沢山の人に教えようとした
慈愛に満ちた、尊い事を成した人
10分ほどそこにいた
涙が止まらずにいた
キリスト教の教会は同じトーンが流れている
深い悲しみと慈愛
そしてキリストが人間だったという強いメッセージ
真ん中のドームの下には、ひときわきらびやかに装飾されているお堂があった
参列者が多くて、一度諦めたけれど並んでみた
並んでいる間に聖墳墓教会の事を検索して調べたら、先ほど触ったピンクの大理石は
「キリストの遺体に香油などを塗った時に横たわらせた石」
とあった
だから土や血の匂いがしたのかも知れない
涙はキリストの死を悲しんで泣いた人達の涙かも知れない
並んで順番を待っているお堂の中には、キリストの墓石の一部があり、触れるという
だけとどいざ自分の番が来て触ってみると、5秒くらいで終わりの合図である壁を叩く音がして、何も感じないまま終わった
二階には見事なモザイク画の天井の祭壇があり、
やはり人が並んでいて順番制で5秒くらいで終わった
学校の先生の教卓の様な所に潜りこみ、片腕だけ入れられる穴に腕を入れる
十字架に架けられた時の石台に触れる
しかしこの5秒の間に
「キリスト、遺体を何か天の力で加工されている」
という感じがした
加工というか何か変化を加えられているというか・・・
ピンクの大理石は行列はなかったので、心ゆくまで触る事が出来たけれど、行列と人の多さと焦っている時はあまり何も感じられない
奥に人が数人入る事のできるスペースがあり、そこはキリストの絵と床に十字架の石のタイルがはめ込まれていた
よく分からないけれど、そこで跪いてタイルに手を当ててみた
「私は生まれた」
という落ち着いた男の人の声と共に
ヤギの乳の匂い
お香の様な匂い
がした
キリストが少年時代の頃のイメージだった
キリストは薄いブルーの服を来ている
この時、この小さな部屋には誰も居なかった
彼はしっかりと人間だった、少年時代もあった
という様な事が言いたいのだろうか?
私はよく分からなかった
大きなドーム状の天井が二つあって、立ち入りが許されていない方をじっと見ていると賛美歌の様なものが聞こえた
[https://twitter.com/fUUXpNKJuwKGfTM/status/1151816565605711873:embed#聖墳墓教会で聞いた賛美歌?を録音しました
歌唱力… https://t.co/43IpdMGpB6]
聖墳墓教会を出たら
ヴィアドロローサをウロウロしたり、
少し迷っていたらどこに行きたいの?道案内するよ!
と声をかけられた
髪型を綺麗に整えている、20代のガタイの良い青年だった
お店の人もベンチに座っているおじいさんもどこに行きたいの? それはこっちだよと親切に教えてくれたので、なんて親切な人なんだろうと思った
けれど、レイプされるかも知れない・・・
と思ったので、彼と距離を取って歩いた
他の観光客夫婦にも、目的地が彼女と一緒だから、ついておいでよ道案内するよ
と声をかけていたので、レイプじゃないな・・・と安心してしまった
夫婦も後ろから着いてきた
途中までは・・・
複雑な通路の更に裏道の裏道を行くので、最初はショートカットかなと思いきや段々不安になっていた
これってもしかして・・・・
いつの間にか夫婦はいなくなっていた
何か危機を察したのかも知れない
私と彼は高台の様な、屋上の様な所に出た
「さあ、そこをまっすぐ行くと目的地だよ・・・ところで道案内したんだからチップほしいな・・・」
と行ってきた
彼は汗をとてもかいていて強い陽の光に汗が光っていた
ちょっと申し訳なく思い、千円くらいなら払おうかなと思っていくら? と尋ねた
「200ドルくらい!(二万円ちょっと)」
「無理!! ごめん!!! お金ない!!! 」
と嘘をついた
暴力振るわれるかも・・と思いながら素早く彼の前を通り階段を上がってこれ絶対出口この階段しかないよね、という様な屋上みたいな変な所を必死に登った
急勾配になっていた
ビーチサンダルを履いていたので、ツルツル滑った
彼は何事かを後ろで叫んでいた
恐らく
その女は俺に道案内をさせたくせに金も払わない奴!
金払えよ!!
みたいな事を叫んでいるのだと思う・・・
諦めて戻ってお金を払い・・・たくない、絶対!!
私はそこでたまたまジュースを飲みながら談笑していたムスリムの女の子二人に声をかけた
「Sorry for interrupt you guys....but I met a guy who navigate me to Jaffa gate and He took me here,but he wants me to pay expensive tip...He fraud me. could you tell me where is Jaffa gate? 邪魔してすみません・・・ヤッファゲートまで案内するという男の人にここまで連れてきてもらったのですが、高額なチップを要求されました 騙されました・・・ヤッファゲートがどこか教えて頂けますか?」
と地図を渡した
ムスリムの女の子の一人が地図をしばらく見て顔をあげ、
「Jaffa gate.... TOO far...ヤッファゲート・・・すっげ遠いよ」
と言った
やっぱり・・・騙されたんだ・・・愕然とした
先ほどの来た道を引き返すとまたあの彼がいるかも知れない・・・
ムスリムの女の子は立ち上がり、案内するよ
と言ってくれた
でも遠いんですよね?
と尋ねたら
大丈夫、案内する
と言ってくれた
どんなに力強く安堵したか分からない
ショック状態であまりうまく話せない私の腕を何度もさすってくれて大丈夫だよと言ってくれた
ありがたくて涙が出そうになった
結局目的地であるヤッファゲートの外まで送ってくれた
信仰関係ないな、愛だな愛・・・
と思いながらホテルに戻った
ホテルの鏡を見て初めて聖墳墓で泣きすぎてマスカラが全落ちしていたのが分かった
絶対、これからの日程ではマスカラしない
と固く誓った
その後道案内ボッタクリをフェイスブックに書いたらみんなから気をつけろやとか知らない人に着いていかないのは旅の基本だろオラとか叱咤激励?をされた
とにかく親切すぎる人には注意だ
と固く心に刻んだ
こうして一日目は幕を下ろした
料理は美味しい
(なのですべてよし全て良し)