私とチヅルさんとの出会いは2019年の吉祥寺エスカリエセーだった
チヅルさんはギャラリーであるエスカリエセーを手伝っていて、常に帽子を被っていて何かを超越したような人だ
実は100年生きている魔女なのではと思っている
彼女は俯瞰で物を見れる人
私はプレイヤー
みたいな印象をいつも抱く
そして私はチェスの駒で彼女はそれをどこに動かすか考えてるイメージが頭に浮かんでくる
2022年の夏に書家の林幽弦さんと二人展をするべく山口県宇部のグリシーヌに向かった
グリシーヌは吉祥寺エスカリエセーのオーナーである涼子さんが故郷に作ったギャラリーで、私がここを前回訪れたのは2020年のオープニングパーティーだった
2020年の時は私は足を骨折しているのも関わらず、
グリシーヌのオープニングパーティーに参加し、しこたま飲んで酔った挙句に周りの人に
「山に行きましょうよ!」
と誘い本当に夜に山に登った(その時の話はいずれどこかでするつもりです)
山というのはグリシーヌの裏にある鍋倉山の事だ
山といっても、丘の様になっていて頂上まで数分で行ける
そしてなぜだか神社がいくつかあるのだ
初めて登ったのは2019年だったと思う
グリシーヌはまだオープンしておらず、私自身も全然まだ経験値が少ない頃で、なんだかこの山やたらと神社あるなーぐらいにしか思っていなかった
話は戻り2022年の二人展開催前日に、ウェルカムディナーという事で皆でテラスのテーブルでご飯を食べる事になった
母屋とその裏にある鍋倉山が見える
夏の夕闇から闇になった
酔いが回ったところで先ほどから気になっている事を隣に座っているチヅルさんに言った
「なんだか山の様子変わりましたね」
チヅルさんがパッとこちらを見て嬉しそうにした
「わかる?!」
わかるってなんだろう・・・と思いつつ
「今までは色んなものがざわざわとしているイメージだったのに、リセットされたような・・・リセットされているけど霊的なものはゼロじゃない感じ むしろ増してる感じです」
「そうなのよー!」
とチヅルさんはますます嬉しそうにした
いつになく感情をあらわにしている事に戸惑いつつ、山で何してんすかーと茶化しながら話題にのぼってる山の方に視線を戻した
と言ってももうすでにすっかり日は落ちてわずかに山のシルエットがわかるくらい
その時、山の下の方が光った
白い一つの光が星の様な輝きで光った
「えっ・・・今、山光った・・・」
どこどことチヅルさんが言って、二人でもう一度光らないか凝視した
電灯もない、動物でもない
何か反射するものもない
ただ、
「冬にあそこら辺に榊を植えたんだよ」
とチヅルさんが言った
謎すぎる・・・と思ったけどチヅルさんの不思議さに慣れているので榊を植えるチヅルさんを想像して全く違和感ないなーと思い直した
「大調和!! って言いながら植えたんだよ」
やっぱり謎である
つづくよー