実録霊性開花日記

e-mail camphor.eri.project@gmail.com 山楠えり 2018年7月にセドナに一人旅をして何かが開花して帰国

七月のイスラエル・三日目 前編 類似と相違

マサダ要塞

マサダとは「要塞」の意味らしい

という事は「要塞要塞」というキャンディキャンディと同じ構造の名称なのだな・・・
とどうでもいい事を思いつつマサダ要塞に着いた

ずっと晴れていてずっと日差しが強烈でサングラスは必須だった
ガイドのSさんは常にサングラスをしていた

マサダは2000年以上前に標高400メートル程の岩山に造られた要塞だった

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その後にヘロデ王が宮殿兼要塞として改修しているそうだ

この要塞の下にローマ軍がキャンプして包囲、三年にも渡るにらみ合いが続いた結果、

「斜道」

をローマ軍がせっせと作り、

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金属が先端に着いた丸太で木門を破壊され、火が着いた矢で木門を射て燃やして、ついにユダヤ最強の要塞は破られた

ローマ軍の手で殺されるのであれば死を選ぶ・・・という事で、ユダヤ軍は自死を選んだ

ユダヤ教で自殺は禁じられているため、勇気ある者達を10人クジで選び、その10人が仲間を次々と手をかけた

・・・


とここまでマサダの施設にあるフィルム鑑賞とガイドのSさんの解説で理解出来た


ロープウェーに乗り標高400メートルの要塞に着き、ここがヘロデ大王の宮殿ー

ここが運動場でー

ここがサウナー

と一通り解説を受けた後、Sさんがおかしな事を言った

900数人の失われた遺体

「で、一夜にして960人余りのユダヤ人達の遺体が消えたわけだけども、どう思う?」


「は?」

「え、わかんなかった? フィルムにあったじゃんユダヤ人達のカラダが忽然と消えてるシーン」

Sさんは普通にタメ口だ
言われてみたら、ローマ軍達が門を突破した後にユダヤ軍の方の鎧が積み上げられていて

あれぇ・・・?
みたいなローマ軍がぽかーんとするシーンがあったのを思い出した

「遺体、消えた? 一夜?」
と言葉を覚えたての原始人の様にカタコトになってしまった

「うん。詳しい記録読むとさ、見つかってないみたいなんだよ遺体が。逆に言うとユダヤ人の遺体があったと言う記録が一切ないのだよね」

この人は下ネタを言うだけではなくめちゃくちゃ調べてんだなーと感心した

Sさんは続けて言った

「集団自決してた時に生き残ったのは子供と女性合わせて五人。これは後世に伝える為にあえて生き残らせたと伝わっている。それからたまたま死体が発見されずに残っていたヘロデ大王宮殿付近にあった女性と男性、子供の遺体。地震か崖崩れで生き埋めになってしまい味方にもローマ軍からも発見が遅れたらしい」

そうなんだ・・・

「で、900数人の遺体はどこに行ったと思う?」

Sさんの挑発的かつ真実を探求してみたいと言う様な目つきに暑さを忘れて俄然フシギモードになる

「900数人死んでいません」

間髪入れずに答えた

自分でもどこからそんな言い切れる自信が湧いて出ているのか、謎だ

「もう一度運動場とサウナの方に戻りましょう」

とSさんに言った



古代ユダヤの人々はとても文化的な生活をしていたらしい

モザイク張りの運動場で汗をかき毛穴を開かせ、そしてサウナに入りマッサージ等を受けたらしい

私達は運動場に戻った
運動場の傍に、屋根の着いた石のタタキで出来ている場所があった


その横に屋根のないお風呂

Sさんによると水風呂らしい

タイルの廊下を渡ると、サウナの施設になっていてまた水風呂がある



先ほどサウナを見学した時、変な匂いがした

なんと言うか、肉を焼く匂い

もう一度今来た運動場、屋根なし水風呂、タイルの廊下、水風呂、サウナを辿る

「どこで10人を選ぶくじのかけらが発見されたんですか?」

「あっちだよ。サウナの裏」
とSさんが連れて行ってくれた

くじの発見された所に立った

私はようやく口を開き、一気にSさんに今感じたもの、視えたものを話した

「門が破られる少し前から、彼らはこの計画を練っていました。しかし幹部の人達だけにこの計画は伝えられました。選ばれた10人は仲間を殺す為だけに選ばれた10人ではないです。この10人が、生き残らせたい2人もしくは3人をピックアップしていい権限が与えられていました。10人はここですごくすごく悩んでいます。誰かが叫び、誰かが口論したりしています。ただし時間は限られています。早く決断をしないとローマ軍が攻めて来ます。そうなったら計画は台無しです。やがてピックアップする人を決め終わりました。手に掛ける者達を数名、あそこの運動場の脇にある石のタタキの所に呼び出しました。手をかけられる者はおそらく裸です。ローマ軍が見た山積みの鎧は、この時脱がされたものだと思います。次々に手を掛ける必要がありました。遺体は二つか三つの山に分けられています」

私達はくじが見つかった辺りにある、石で出来たベンチに座っていた

おそらく、このベンチはクジに書かれた名前の人達も座っていた

誰かの、極度な域に振れそうになっている恐怖を高度な理性で抑えている感情を感じる事が出来た

Sさんは真剣に私の話を聞いてくれていた

ユダヤの人達にとって血は神聖でした。とても重要なものです。敵に血を陵辱されたくありませんでした。彼らは計画通りに、切断した遺体をまず最初に屋根のない方の水風呂に入れています。
血抜きをする必要がありました」

自分でももう何を語っているのかわからないけれど、とにかく感じたもの、視えたものを伝えた

「それでも血抜きは完全ではないので、今度は死体を運んでタイルの廊下を渡り、あちらの深い方の水風呂に入れました」

真っ白な皮膚
切断された遺体
泣きながらその作業をやる男の人
髪の毛はくるくるとしていて明るい髪色だった

「完全に血を抜いた後、焼いていると思います。サウナは釜がついていましたよね?」

「そうだけど、ユダヤ人は火葬の習慣はない」

「非常事態だったんです。許されていない自決を選ぶほどに」

あの変な匂いは、肉を焼く匂いだったんだろうか

水風呂の所までは結構はっきりと視えた

しかしその後がクリアに視えて来なかった

「じゃあその、10人が選んだ生き残り達はどこから逃げたの? 一夜しかなかったんだよ」

「そこまではわからないのですが、900数人死んでいません。何十人かは逃げています。多分、地下通路だと思います。メギドの様に」

「まだ地下通路は発見されていない」

「という事は地下通路はないという確証はないですね」

一気に伝えたのでかなり疲れてしまった

ロープウェーで駐車場に戻る時、ローマ軍が作ったと言われる斜道を眺めた



「しかしどうしてユダヤ人は悠長に門が破られるのを待っていたのでしょう? ちょっと覗き込めばあら道作ってるわって分かりますよね」

「ローマ軍は彼らの休息日を狙って二年がかりで道を作ったんだよ。休息日の間は戦う事も許されないから。なんていうか、真面目だよねーユダヤ人て」

そうなのか・・・しかし日本なら全員自死の美学みたいなのがあるけれど、ユダヤ人はもっと知識派で合理的なんだなと感じた

マサダやラビの墓に居たかつて生きていた人達が教えてくれた

その後私達はいつものだらけたモードに戻り、下ネタの続きを話ながら、駐車場まで戻った