実録霊性開花日記

e-mail camphor.eri.project@gmail.com 山楠えり 2018年7月にセドナに一人旅をして何かが開花して帰国

七月のイスラエル 四日目 後編 類似と相違

イスラエル博物館

その後私達はイスラエル博物館
https://ja.wikipedia.org/wiki/イスラエル博物館
に行った

人がそんなにいなくて綺麗で広くてなかなか良かった

マサダ要塞の、失われた遺体についての記述を発見した


エジプトから出土されたお棺とか、私が二見で見た様な下半身が蛇っぽい女の人のタペストリーとか自分の見たいものを時間をかけてSさんが解説してくれた



よく視える文字、これ? とか言って早く写真撮らないと画面切り替わるよーとか半分ふざけながら数種類の文字が表示されたパネルの写真を撮ったりした

出口に近づいた辺りのキリスト教系のコーナーをぼんやり歩きながら見ていたら、

あっ

と足が止まった








これ・・・
さっき万国民教会で見たあのマーク・・・







「Sさん、Sさん・・・あれ・・・なんですか? なんの意味?」

私が指差したものを見たSさんはさっと顔色が変わった

Sさんもきっとさっきのあのマークと同じだと思っているはずだ


「待って調べる」

と険しい顔で調べ始めた

長年のガイド経験で培った膨大な知識と三つの宗教を網羅しているSさんのプライドにかけても、知らないという一言で済ましたくない様だった

プロフェッショナルだなあ・・・

と人ごとの様に私はそのコーナーで他のものを見てSさんを待った

その辺りはビザンチン様式のものを集めたコーナーだった



「わかった」

「えっ」

まさかそんなに早く判明すると思っていなかったのでびっくりした


「chi ro だよ」
「???なんですかそれ」

「初期十字架だよ。今の十字架が一般的になる前の十字架。モビールの様に吊り下げた時に左右対称になる様になっている」

あとから調べたら、

chiとroはギリシャでchristos、すなわちキリストを表す


chiはギリシャ語でX、rhoは英字アルファベットでPに似ている事から、XとPを掛け合わせたchi ro十字架が生まれた


4世紀からのビザンチン様式の時にこのchi ro十字架は生まれたらしい





とこの辺りはホテルの部屋で調べたのだけれど、

XとP・・・

万国民教会で見たあれだ

調べているうちにこれが目に入った





xとpとlとoに似たギリシャ文字

pilaだかpetroなのではと英字だと思っていたけれど、ギリシャ文字が見えていたのか・・・

ギリシャ語で救世主という意味だ


彼はやはり救世主だったのかな

少なくともあそこに祈りを捧げに来る人達の心の中ではそう思われている

だから何も知らない異教徒の私が行っても、彼こそは救世主だという想念がビジュアル化したのではないだろうか

ミルクグロット教会

ミルクグロット=母乳の洞穴

不思議な名前だ
ここは私が行きたいとSさんにお願いした



マリア様の母乳が数滴洞穴の赤岩に溢れたら、ここの洞穴だけ白く色が変化したという

「俺もここの教会好きよ。雰囲気良いよね」

Sさんの言葉通り当時のままの美しい街並みにあるその教会は可愛らしくて綺麗だった


中に入るとすぐ前方に洞穴があった

聖母子の絵が飾ってあった


きた


マリア様のイメージが唐突にやってきた




わかっ・・・・・

そばにいてくれているSさんにすかさず尋ねる

「マリア様ってキリスト産んだ当時何歳なんですか・・・?随分若くみえるのですが」

「当時14、5歳。いってても16歳くらいだよ」

即答である

「ですよね・・・すんごく若い女の子です。目がまん丸で口が薄くてキュッと口角上がっていて可愛い。彼女には天使がビジュアルで見えているわけではなくて電気信号の様な、電気ショックの様な、ビリビリとした感じのテレパシーで彼女に色々とメッセージ伝えていたみたいです。彼女はトランス状態になっていたはず。何が何だかわからないままビリビリの中メッセージを受け取り、ビリビリが去ると天使様がいらしたに違いない、と夫婦で話し合ってる様子が伝わってきます」

やがて修道女のみで構成されるミサが始まり、私達は邪魔をしない様に椅子に集められた






静かで秘めやかで、美しい教会だった

修道女様達も去り、人も去り、私とSさんだけが残ってまた洞穴の辺りを眺めていた

ヘロデ王の幼児虐殺があり、この洞穴にマリアとキリストは身を潜めていた事やエジプトに逃げろという天使の知らせで驚いたマリアが授乳中に母乳を垂らした事等を話している時だった


フッ


と電気が消えた

3回目の停電だった

「ほらね。その通りだよって事なんじゃない?」

とSさんは全く驚かずに冗談とも本気ともつかない事を言い、私はもはや驚かんぞ、という決意とともに

「そうですね」

と答えた